確率
Kolmogorov
## 確率とは何か
ヨーロッパの文献を訳すときに「公算」という案もあった。
中国では「概率」という。
### 確率の哲学
主観か客観か。 確率を客観的に定義するのは難しい。
von Muses (流体力学) が晩年、確率について述べた。
ドイツがリベリアの戦争に関わる確率は存在しない。
確率を問えるのは、繰り返し起こるものに対してのみである。
Keyens(数学者でのちに経済学者)
1回きりしかないことに対してしか確率が問えないとしたら、ほとんどのことに対して確率は意味をなさない。
ラプラス
叡智があり、宇宙の方程式があり、初期状態があり、それを解くことができるならば未来永劫全て予測できる。人間はそれをできないから、確率とは、その状況で人間の持つ不確からしさを記述するものである。
確率を整合的に定義する。
根元事象:それ以上分解できない事象
根元事象の集まりを集合 \(\Omega\) と書く(Kolmogorov がオメガを使い始めた。)
\( \Rightarrow \Omega \) は全ての事象。
## 確率の定義
1. \( \Omega \) を決める。 Ωは有限集合とする。
事象とは・・・ \(\Omega\) の部分集合
事象の集合を\(\mathscr{F}\) と書く。
\( \mathscr{F} = \mathscr{P}(\Omega)\)
確率 \(p: \mathscr{F} \rightarrow [0 , 1] \) (mapping)
1. \(p(\varnothing) \rightarrow 0,\ p(\Omega) \rightarrow 1 \)
2. \(A, B \in \mathscr{F} \land A \cap B= \varnothing \Rightarrow p(A \cup B) = p(A) + p(B) \)
\(\Omega\) に対して、これを満たす写像を確率という。
\(( \Omega , \mathscr{F}, p )\) を確率空間という。
コルモゴロフ
> 主観だろうが客観だろうがどちらでもよい、1、2を満たす写像があり、確率空間が定義できればそれが確率となる。
### Definition 確率変数
確率変数 \(X\) とは
写像 \(X : \Omega \rightarrow \mathbb{R} \) である。
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\(p\) 確率, \(A \in \mathscr{F}, A \subset \Omega \)
\[A = \bigcup _{\omega \in A} \left\{ \omega \right\} \]
\[p(A) = \sum _{\omega \in A} \left\{ \omega \right\} \]
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### notation
\[p_\omega = p(\left\{\omega\right\}) \]
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\[\forall \omega \in \Omega,\ p(\left\{\omega\right\}) \geq 0 \]
\[ 1 = P( \Omega ) = \sum _{\omega \in \Omega} p(\left\{\omega\right\}) \]
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### Definition
\[ E[X] = \sum_{\omega \in \Omega} p(\left\{ \omega \right\}) X(\omega) \]
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### notation
\(A \in F\)
\[ E[X, A] = \sum_{\omega \in A} p(\left\{ \omega \right\}) X(\omega) \]
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\(\exists c \in \mathbb{R}, \forall \omega \in \Omega, X(\omega) = c \) のとき、 \(X\) を単に \(c\) と書く。
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### Definition
Random variable \(X, Y\) について \(a, b \in \mathbb{R} \) を用いた式 \(aX + bY \) を次のように定める。
\[(aX+bY)(\omega) = aX(\omega) + bY(\omega)\]